子宮筋腫
40才から45才の婦人の4人に1人は、子宮筋腫を持っています
はじめに
婦人科の手術の対象となる病気で最も多いのが子宮筋腫です。私どもの病院でも、開院以来多くの患者様の手術を行なっています。 子宮筋腫は40才から45才の女性に最も多く見られ、この年代の4人に1人は大きさこそ違え子宮筋腫を持っていると言っても過言ではありません。
子宮筋腫の症状
その症状は
- 生理が異常に多い、その結果貧血症となる
- 生理痛が激しくなる、薬を服用しても効かなくなる
- お腹にしこりを触れるようになる
- 頻尿(トイレが近くなる)、便秘がひどくなる
などです。
原因は全く分かっていませんが、全て良性で悪性のものはありません。
子宮筋腫の種類
子宮筋腫は、子宮壁の筋層内に発生し、子宮内膜の方向や漿膜側へ発育します。
それぞれ、発生・発育する部位によって以下のように分類されます。
- 粘膜下筋腫
- 壁内筋腫
- 漿膜下筋腫
このうちの”粘膜下筋腫は”発生頻度は一番低いのですが、症状がはっきりしています。不正出血、月経過多、下腹痛などが目立ち、また流産しやすいと言われています。ときには、子宮腔に向かって発育した筋腫が有茎状となり、膣腔に脱出する”筋腫分娩”をみることもあります。
子宮筋腫の種類 模式図
筋腫の組織顕微鏡写真
手術後の生活
子宮筋腫の手術後3週間で退院後は、家事、事務仕事などの軽作業が可能です。4週間目より車の運転、日常の一般的な仕事が出来るようになります。また夫婦生活、重労働、激しいスポーツは6週間目程度を目安にすれば大丈夫です。
まとめ
当院では、癌検診の際には必ず卵巣、子宮の状態も超音波断層で撮影して確認いたします。漢方、ホルモン剤で手術をしなくても良くなるなどとの過った報道がなされていますが、いずれも一時的な効果です。また、閉経すると症状はなくなるので、手術は不要と言う医師もいますが、閉経後の老化予防のホルモン療法の大きな妨げになるものです。
正しい診断のもと、手術か否か適切な治療をお受けになられることをおすすめいたします。
なお、当ページは(株)田辺製薬提供によるアトラス集よりイラストを引用しています。