高度生殖補助医療
1. 体外受精(IVF)
ホルモン注射等(8~10 日)により卵巣を刺激して卵胞形成を計ります。卵巣内に成熟卵胞を認めたらHCGホルモンを注射します。HCG 注射後36 時間で排卵するため35時間前後に超音波を用いて卵を採取します。
シャーレにいれた卵子と運動精子をかけ合わせ受精させます。
2. 顕微授精 (ICSI)
顕微授精はホルモン注射、卵の採取、精子の調整までは体外受精と同じです。採卵4時間後に極小のマイクロピペットを用いて、不動化した精子を1個、卵細胞内に顕微鏡下で注入する方法です。
従来の卵細胞内注入法(ICSI)では、精子を卵子に送り込む際に針(針状のマイクロピペット)を刺しただけでは卵子の膜が破れないため、膜を破るのにかなりの吸引圧をかけていました。この際、膜が弱い卵子は吸引のショックで死んでしまう場合があります。そのため、顕微授精の中には従来のICSIを技術的に向上させたピエゾ法(ピエゾICSI)※を用いたものもあります。
※「ピエゾICSI」では、微細振動により卵子の膜を破るため、吸引の際のショックがかからず、卵子が死んでしまう可能性を軽減させます。そのため卵子にかかる負担を大きく減らすことができます。
3. 胚移植(ET)
胚移植は、胚を経膣的に子宮内へ移植します。採卵後3~5日目に行う新鮮胚移植と採卵とは別の周期に行う凍結胚移植があります。 融解した胚の移植方法は自然周期(排卵の時期を確認し移植のタイミングを計ります)、また はホルモン補充周期(卵胞ホルモン、黄体ホルモンの薬剤を使用します)のいずれかで行います。
4. 胚凍結
新鮮胚移植以外の余剰胚は凍結保存し、別の周期に移植することが可能です。
胚は急速冷却し移植まで液体窒素中で保存(液体窒素中では理論上、半永久的に保存可能)します。 凍結胚の融解は急速融解法です。